公開日2025.6.30
ランクルの種類を徹底比較!特徴や性能にどんな違いがある?

ランドクルーザーとは、「陸の巡洋艦」を意味する、トヨタが誇る本格オフローダーです。「ランクル」の愛称でも知られ、2025年6月現在、「ランドクルーザー“70”」「ランドクルーザー“250”」「ランドクルーザー“300”」の3つの車種がラインナップされています。
今回は、3つのランクルの特徴や性能を徹底比較します。タフなオフローダーを購入したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ランドクルーザーとは?特徴・歴史

ランドクルーザーは、トヨタのSUVラインナップの中でもとくに大型で、オフロード走行性能に優れたモデルです。不整地や雪道、岩場、山道、水深700mmまでの川など、通常の車では走行できないシーンでも走行でき、生きて帰還することを目指して作られています。過酷な現場で使用される商業車、不整地を走ることの多い海外で需要が高く、日本国内でもアウトドア愛好家から高い人気があります。
ランクルの歴史
ランクルの歴史は非常に古く、最初に登場したのは1951年です。米軍と警察予備隊(現陸上自衛隊)の要請で開発された「トヨタジープ(BJ)」が初代モデルで、1953年に民生用として量産され、1954年に「ランドクルーザー」という名称になりました。
1955年に登場したランドクルーザー20系は、民生用として開発された最初のランクルであり、海外への輸出も積極的に行われました。
その後、数々のモデルチェンジを経て、70系が1984年に登場。この70系にトヨタの先進安全機能などを搭載し、使い勝手や安全性を向上させた上で再再販されているのが現行(2025年6月現在)のランクル70です。
その後もさらにモデルチェンジや派生を重ね、ランクル250やランクル300が登場し、オフロード性能はもちろんオンロード走行時の快適性や使い勝手もどんどん向上しています。
ランドクルーザー“70”の特徴

ランドクルーザー“70”は、とくに過酷な環境での走破性を重視したモデルです。強靭なボディはもちろん、シンプルな設計とデザインが遊び心を演出し、高い走破性が求められる場面だけでなく、アウトドアシーンにもよく馴染みます。
ランクル70の走行性能
ランクル70の最も大きな特徴は、伝統の高剛性ラダーフレームによるタフな走破性能です。多くの乗用車に採用されているモノコック構造と違い、ラダーフレームは強度が非常に高く、仮にボディが一部損傷を負っても自走機能を維持することができます。これにより、過酷なオフロードにおいても走行を継続し、帰還できる性能となっています。
また、本格オフローダーならではのラダーフレーム構造により、オンロード走行時にも安定感と快適な乗り心地を実現しています。
オフロード走行を支える機能として、下り坂での安定性を確保する「ダウンヒルアシストコントロール」、スリップ時の走破性を高める「VSC&アクティブトラクションコントロール」、スタックからの脱出を助ける「電動デフロック」などが備わっています。

また、オフロードカーにとって重要な対地障害角もしっかり確保されています。これは、車体の下部が地面に接触せずに走行できる角度のことで、岩場や起伏の激しい道を走る際にとくに重要です。この角度は、数値が大きいほど障害物を乗り越えやすく、優れたオフロード性能を発揮できるとされています。
ランドクルーザー70では、前方のアプローチアングルが33°、前輪と後輪の間のランプブレークオーバーアングルが26°、後方のデパーチャーアングルが23°と、優れた数値を誇ります。
これらの角度により、岩場や起伏の激しい道でも車体が接触しにくく、オフロード走行時の安心感につながっています。
ランクル70の室内空間
ランクル70は、乗車定員5名がゆったりと過ごせる室内に、多くの荷物を積めるラゲージスペースを備えています。ラゲージスペースは荷台幅1,440mm、荷台長835mmと十分な広さがあり、後部座席を倒すことで荷台長は1,355mmにまで拡張できます。また、荷室ドアは左右で大きさが異なる2枚の観音開きとなっており、全開にして開放的に使ったり、小さい左側だけ開けて小物を取り出したりといった柔軟な使い方ができます。
他にも、豊富な収納スペースやマニュアルエアコン、後席用のヒーターコントロールなどを備えています。
ランドクルーザー“250”の特徴

ランドクルーザー“250”は、本格オフローダーとしての顔はもちろん、生活の中での使いやすさも追求したモデルです。
ランクル250の走行性能
ランクル250では、ランクル70と同様に伝統のラダーフレームを採用しています。さらに、高い堅牢性と剛性を実現するためにフレームを刷新し、軽量化も図りました。これにより、オフロードだけでなくオンロードでも安定した走行性能を発揮します。
ランクル250は、オフロード性能を高めるためにさまざまな先進機能を搭載しています。まず、下り坂での安定走行をサポートする「ダウンヒルアシストコントロール」、スリップ時に駆動力を最適化する「アクティブトラクションコントロール」があります。また、後輪の駆動力を制御する「電動リヤデフロック」も備えています。
さらに、走行状況に応じて最適なトルクをコントロールする「マルチテレインセレクト」、ステアリング操作だけで悪路を超低速走行できる「クロールコントロール」も装備し、悪路からの脱出を強力に支援します。加えて、快適な運転をサポートする「電動パワーステアリング」も搭載されており、あらゆる環境で安定した走行が可能です。
ランクル70と同様に、対地障害角も十分な角度が確保されており、42°という非常に優秀な登板能力も有しています。
ランクル250の室内空間
ランクル250では、広さはもちろん使いやすさも追求したラゲージルームを使用できます。セカンドシートを折りたたみ、7人乗りモデルではサードシートを格納することで、長尺物でも余裕をもって積載することが可能です。
また、バックドアはガラスハッチのみを開閉することができ、駐車場で後ろにスペースがない場合、小物などをさっと取り出したい場合などに非常に便利です。(ZX、VXグレードに標準装備)
他にも、前席・後席で独立したフルオートエアコンや、変幻自在のセカンドシート、開放感を楽しめるチルト&スライド電動ムーンルーフ、手をかざすだけで操作ができるオーバーヘッドコンソールなど、快適に過ごすためのさまざまな機能性を備えています。(後席フルオートエアコン、ムーンルーフはZX、VXグレードに標準装備)
ランドクルーザー“300”の特徴

ランドクルーザー“300”は、シリーズの中で最もハイグレードなモデルです。本格的なオフロード性能はもちろん、堂々としたエクステリアや快適性により都会でも圧倒的な存在感を誇ります。
ランクル300の走行性能
ランクル300では、ラダーフレームを刷新した悪路走破性・堅牢性の非常に高いフレームを採用。ラダーフレームとしての堅牢性や剛性はそのままに、モノコック構造のようなフレーム・ボディの一体感もあり、高い操縦性と振動を抑えた乗り心地を実現しています。
ランクル300は、ランクル70やランクル250に搭載されている機能に加え、ドライバーの意のままに走りをコントロールできるさまざまな電子制御機能を備えています。また、静かな走行を実現する工夫も施されており、街中でも快適な乗り心地を楽しめます。
ランクル300の室内空間
ランクル300は、オフローダーでありながら快適性も追求したモデルです。乗員がゆったり過ごせるよう、シートの構造や配置を見直しています。用途に合わせて多彩にアレンジできるシートや、アクセサリーコンセント、大容量のラゲージスペースなども特徴です。
ランクル3車種のサイズ比較

ランドクルーザー3車種のサイズを比較しました。ランクル250とランクル300は、複数あるグレード・パワーユニットのうち、ディーゼル車とガソリン車から1つずつピックアップしています。
ランクル70 | ランクル250 | ランクル300 | |||
グレード | AX(2.8Lディーゼル) | ZX(2.8Lディーゼル) | VX(2.7Lガソリン) | ZX(3.3Lディーゼル) | ZX(3.5Lガソリン) |
全長 | 4,890 mm | 4,925 mm | 4,925 mm | 4,985 mm | 4,985 mm |
全幅 | 1,870 mm | 1,980 mm | 1,980 mm | 1,980 mm | 1,980 mm |
全高 | 1,920 mm | 1,935 mm | 1,925 mm | 1,925 mm | 1,925 mm |
最低地上高 | 200 mm | 225 mm | 225 mm | 225 mm | 225 mm |
乗車定員 | 5名 | 7名 | 5名 | 5名 | 7名 |
駆動方式 | パートタイム4WD | フルタイム4WD | フルタイム4WD | フルタイム4WD | フルタイム4WD |
グレードやパワーユニット、オプションによって細かく異なりますが、ランクル70が最もコンパクトで、ランクル300が最も大きなボディサイズです。
ランクル250とランクル300は、グレードやパワーユニットの選択によって乗車定員が異なります。そのため、大人数での利用を考えている場合は、7人乗り対応かどうかを必ず確認しましょう。
まとめ
ランドクルーザーは、非常に高い堅牢性と悪路走破性を備えた、トヨタが誇る本格オフローダーです。アクティブな走りを楽しみたい方、ハードな環境での走行も楽しみたい方、本格的なアウトドアを楽しみたい方におすすめとなっています。
ランクル70、ランクル250、ランクル300はそれぞれメリットや得意なシーンが異なります。購入を検討する際は、よく違いを確認して選ぶのがおすすめです。