電源になる車はどれ?アウトドアや災害時にも給電できる車種をご紹介

近年、災害対策やアウトドアの視点から「電源になる車」に注目が集まっています。キャンプ場で家電を使いたい人や、停電時にも安心して生活を続けたいという人にとって、給電機能を備えた車は非常に心強い存在です。そこで今回は、給電可能な車種や活用シーン、給電時の注意点などをご紹介します。
「電源になる車」が重要視される理由

電気自動車(EV)や、電気とガソリンの両方で走行するハイブリッド(HEV)、プラグインハイブリッド(PHEV)などの車は、車体に電気を蓄えておくバッテリーを備えています。こういった車は、電力で走行するだけでなく、家電を動かす電源として利用できます。
近年、こうした「電源になる車」への注目度が高まっています。
災害時の電気の供給源
EVやHEV、PHEVの車は、災害時に電気が送られなくなった場合に備え、緊急の電源になることができます。
例えば、本記事でも後にご紹介するトヨタの「クルマde給電」は、対象の車から給電インレットを備えた家屋に電気を供給し、消費電力が400Wなら約5日間の給電を可能とするシステムです。災害時にも、住宅にいながら電気のある暮らしを継続し、一定の安全性や快適性を確保できます。
また、電源になる車はバッテリーから家電を動かせるため、車内でスマホの充電や光源の確保などができ、住宅が使用できない状況にも備えることができます。
アウトドア時の家電の電源
EVやHEV、PHEVの車は、非常時だけでなくアウトドア時の家電の電源としても役に立ちます。
例えば、炊飯器や電気ケトル、電子レンジ、電気ストーブ、テレビ、スピーカー、小型冷蔵庫、小型エアコンなどの家電を動かすことが可能です。エンジンを点けっぱなしにはできないシーンでも電気を供給できることから、車中泊を楽しみたい場合にも非常に役に立ちます。
トヨタの給電機能

トヨタでは電源になる車の開発に力を入れており、20以上の車種がなんらかの給電機能標準装備またはメーカーオプション設定がされています。
住宅の外部電源となる「クルマde給電」
トヨタの給電機能の代表的なシステムとして、停電や災害などの非常時に住宅の電源を供給できる「クルマde給電」があります。クルマde給電は、あらかじめ住宅に給電インレット経由で給電できる工事を施しておくことで、必要なときに車から給電を行えるシステムです。
クルマde給電では、最大1,500Wまでの電力を同時に使用できます。スマホの充電をしながら部屋の照明、冷蔵庫、扇風機、テレビを使用していても十分な余裕があり、プリウス(2.0L)では400Wの消費電力であればバッテリー満タンから約5日間電気を使用できます。※
※ 一般家庭が日常使用する電力量:1日あたり10kWh(家庭での1時間あたりの消費電力400W)として試算した場合
トヨタ車で利用できる4つの給電機能
上記のクルマde給電を含め、トヨタ車では4つの給電機能を提供しています。
アクセサリーコンセント | アクセサリーコンセント(非常時給電システム付) | AC外部給電システム | DC外部給電システム | |
給電能力 | AC1,500W | AC1,500W | AC1,500W | DC9,000W以下 |
車の状態 | 走行可能状態 | エンジン停止 | エンジン停止 | エンジン停止 |
コンセント位置 | 室内 | 室内 | 車外 | 車外 |
住宅への供給 | 一部の居室 | 一部の居室 | 建物全体 |
アクセサリーコンセントは、車内にある電源プラグからAC100Vの電源を供給し、主に走行中の車内で家電を使用するためのシステムです。シガーソケットからの給電だと、DC12Vの電源から5A~10Aの電流が供給されるため、10Aの場合120Wまでの電力を使用できます。アクセサリーコンセントの場合は1,500Wまで対応できることから、より多くの、かつ負荷の高い家電を使用できるようになります。
非常時給電システムは、装備としてはアクセサリーコンセントと同じで、エンジン停止中にも電源を使用できるようにしたシステムです。クルマde給電のシステムにて住宅への電源供給を行える他、車中泊時に車内で家電を使用する際にも使用できます。
AC外部給電システムは、車外にある充電口から電力を供給するシステムです。バッテリーの充電を行う充電口から反対に電気を供給し、主に外部の家電や住宅の電源を稼働させます。基本的には非常時給電システムと同じ役割ですが、コンセント位置が室内か車外かという違いがあります。
DC外部給電システムは、別売りの外部給電器を用いることで9,000W以下の大電力を供給できるシステムです。1,500Wのシステムでは、クルマde給電でも一部の居室をまかなう程度にとどまりますが、DC外部給電システムであれば建物全体の電源をまかなえるようになります。
電源になるトヨタの車4選
ここでは、上記にてご紹介した給電システムを備えたトヨタの車から、4つの車種をご紹介します。
RAV4

RAV4は、アウトドアに嬉しい走行性や積載量はもちろん、悪路走破性と街中での取り回しの良いとこ取りができるミドルクラスSUVです。オフロードに似合うタフなスタイリングや走行性能、大容量かつ自在にアレンジできるラゲージスペースを特徴としています。
RAV4のうち、ハイブリッド車では「アクセサリーコンセント(非常時給電システム付)」が利用でき、PHEV車では「アクセサリーコンセント」と「AC外部給電システム」が利用できます。ハイブリッド車ではメーカーオプションですが、PHEV車では標準装備です。
プリウスPHEV

プリウスPHEVは、電動性能と利便性を兼ね備えた次世代プラグインハイブリッドカーです。
普段の走行は電気のみで行えるため、通勤や日常の買い物など、多くの場面で環境に優しく静かなEV走行が可能です。さらに、電池残量が少なくなっても2.0Lエンジンによるハイブリッド走行に自動で切り替わるため、バッテリー切れの心配もありません。
プリウスPHEVには、「アクセサリーコンセント(非常時給電システム付)」と「AC外部給電システム」が標準装備されています。これにより、車両から最大1,500Wの電力を供給でき、キャンプや屋外イベントはもちろん、停電時などの非常時にも家電製品の使用が可能になります。電池残量があればエンジン停止中でも給電でき、必要に応じてエンジンが自動起動してバッテリーを補うため、災害時の備えとしても心強い装備です。
カローラ ツーリング

カローラ ツーリングは、トヨタの定番モデル「カローラ」シリーズのステーションワゴンタイプで、日常使いからレジャーまで幅広く活躍する実用性の高いモデルです。荷室の広さや後席の快適性に加え、取り回しのしやすさや燃費性能、安全装備の充実など、ファミリー層にも人気の一台です。
ハイブリッド車では、「アクセサリーコンセント(非常時給電システム付)」をメーカーオプションで選択できます。このシステムにより、最大1,500Wの電力を車から供給することができ、キャンプや屋外での家電製品の使用、停電時など非常時の電源確保にも役立ちます。
bZ4X

bZ4Xは、トヨタ初のBEV(バッテリー式電気自動車)専用モデルとして誕生したSUVです。低重心で安定感のある走りと、電動車ならではの静粛性、さらに先進的で洗練されたデザインが特徴です。高い走行性能と広々とした室内空間を兼ね備え、日常の移動からアウトドアまで幅広く対応します。
bZ4Xには、「アクセサリーコンセント(非常時給電システム付)」と「DC外部給電システム」が標準装備されています。EVならではの大容量バッテリーを活かし、走行中はもちろん、車両停止中でも給電が可能です。
まとめ
いつ災害が起きるかわからない日本において、電源になる車の存在価値は非常に高まっています。非常時に住宅や家電の電源になるだけでなく、アウトドアでもエンジン停止状態でさまざまな家電を動かすことができるため、役立つシーンは非常に多いといえます。
なお、給電機能を安全にご利用いただくためにも、ご使用の前には各車両の取扱説明書や注意事項を必ずご確認ください。
トヨタカローラ広島では、今回ご紹介した各車両の試乗を行っています。気になる方は以下ページから詳細をご確認ください。
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